東海大学医学部専門診療学系 漢方医学

いわゆる朝鮮人参で、根を使用する。上腹部違和感、嘔吐、腹痛、食欲不振、消化不良、動悸、大病後の疲労などに健胃剤・強壮剤として使用する。健胃剤として六君子湯、強壮剤として、補中益気湯や十全大補湯などを含めた幅広い方剤に含まれる。人参は、手足のある人型に近ければ近いほど良いといわれていた。現在は、定植より４～５年経過する秋に収穫するものがよいとされている。

【いわゆるシナモンで香りがよく、樹皮を使用部位とする。冷え、寒気、発熱、月経痛、気の上衝（気の焦り・動悸・のぼせ）などに効果がある生薬で、発汗作用、末梢血管拡張作用を認める。風邪薬として有名な葛根湯や麻黄湯、瘀血（打撲や、月経に関する問題を含めた血液が停滞した状態）に対する桂枝茯苓丸を含め、漢方処方の中でも比較的使用される頻度が高い生薬である。

根茎を使用する。瀉下作用、清熱作用、抗炎症作用および駆瘀血作用（打撲や、月経に関する問題を含めた血液が停滞した状態を改善）を持つといわれ、便秘、腹痛、胸部苦悶感、腹部膨満感、乏尿、炎症性疾患などに使用する。西洋医学で下剤として処方されるセンノサイドを有効成分の一部として持ち、承気湯類や、麻子仁丸などに含有される。腎不全改善作用や抗炎症作用を認めるなど、現代医学的見地からも有用な生薬と考えられる。