鍼灸治療は日本の伝統医学としておよそ2000年の歴史があり、現在も伝承、発展しています 。日本では562年知聡という人が経典とともに中国から医学書を持ち帰り、608年に恵日、福因という僧が鍼を習い、世に広めたと言われています。そして江戸時代まで、 わが国における一般的な医療として、庶民の健康を守ってきました。
最近、鍼治療は世界的にも注目されています。WHO(世界保健機構)は鍼治療の適応症として47疾患を認可しています。 また、NIH(アメリカ国立衛生研究所)は、1997年に鍼治療の使用および効果についての合意声明書を発表しました。 そのため、アメリカでは鍼治療を健康保険で認めている州もあるのです。
鍼灸や漢方では、気・血・水(津液)という3つの要素が身体の中を順調に巡っている状態を健康と考えます。 これが滞ったり、過不足が生じたりすると病気になると考えます。では、この気・血・水は、 身体の中でどこをどうやって流れているのでしょうか。
鉄道を想像してください。「気」という機関車が、「血」や「水」という客車を引っ張って、 「経路」という線路を使って全身をまわっています。鉄道というのは必ず駅に停まります。その駅が「つぼ」なのです。
この機関車が何らかの原因で動かなくなると、人間はその状態を痛みやシビレとして感じます。鍼灸治療は、 「つぼ」という駅から機関車にアクセスし、機関車の運行をスムーズにさせることを目的としているのです。
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